生活の実験

Apr 14 2012

七つの女の子と話をしていたら、作文が終わらなくて困っているという。彼女は小さい子にしては要領よく話すんだけれども、なにしろ七歳は七歳なので、話がくどい。しかもしょっちゅう脱線する。最後まで聞いて推測するに、どうやら何を書いて何を省くかがわからないので作文が長くなっている、ということらしかった。

学校の授業の作文で七五三の話を書くことにして、けれども原稿用紙六枚書いてもまだ、当日の朝ごはんが終わらない。メニューとその匂い、湯気のようす、パンの焼き加減の好みに関する主張で六枚目が終わってしまった。今までのぶんを捨てて書き直すべきか、という意味のことを、彼女は言う。読ませて頂戴というと、ずいぶんとはずかしがってから、結局読ませてくれた。

八枚切りのパンを焦げるぎりぎりのところまで熱してからバターを塗り、しみこませて食べる、ジャムはパンに塗るべきではない、ヨーグルトにいっぱい入れたほうがいい、なぜなら赤(いちごジャム)やむらさき(ブルーベリージャム)が白いのに混ざるのがおもしろいから、あと、わざとちゃんと混ぜないで甘いところと甘くないところをつくる、生の食パンとか意味わからない、不味い、というようなことが延々と書いてあって、私はいたく感動した。ニコルソン・ベイカーみたいだ。徹底した脈絡のなさがすばらしくリアル。他者の価値観を一顧だにしない主観がなんてクール。

たぶん彼女は記憶と思考を選ぶことが、まだうまくできないのだ。それに抽象概念の操作にも慣れていない。だから頭の中を時間軸だけで切り取ったような文章を書いている。

これはすごくいい文章だよ、と私は言った。七五三なんか放っておいたっていいじゃない、ここはひとつ朝ごはんまででいこうよ、捨てちゃうのもったいないよ。私がそう提案すると、彼女は重々しくうなずいて、まあね、これ自分でもわりと気に入ってる、と言った。

でも彼女はそういう作文を書きつづけるにはいかないことをちゃんと知っていて、きれいにまとまった文章を作る方法を知りたがってもいた。だから私は作文を終わらせる方法を教えることにした。

あのさ、まず書くことを決めるじゃない、最初に。七五三とか。で、書くことの前とか後とかあるでしょう。七五三の日の朝ごはんみたいなこと。それはちょっと短くする。どうやって短くするかっていうと、八枚切りのパンを反りかえるまで焼いてから反対側もちょっとあぶって、それからバターをつけて、って書きたいところを、お父さんとお母さんと一緒にパンを食べました、って書くんだ。もちろんお母さんが起きてからよくわからない部屋着に着替えてそれから出かける格好になることの謎についてとか、お父さんのひげそりの音が変化に富んでいて魅力的だということとかは書かない。もっと省きたかったら、ただ「朝ごはんをすませて」、って書く。文いっこもいらない。

もっと短くしたかったら、と彼女は訊いた。私は彼女の真似をして重々しくうなずき、「支度をして家族みんなで家を出ました」って書くの、と言った。もっと、と彼女が言うので、神社の階段を登っているところから始めてもいい、と私は教えた。もちろん一日は朝起きたところからはじまる、でも作文では石段に足をかけたところからはじめてもいい、なんなら帰ってきたところからでもいい。

彼女はやはり重々しくうなずき、ありがとう、と言った。どういたしましてと私はこたえた。

でもそれはほんとうはつまらないことなのだ。誰かの要求にあわせて作文を刈りこむなんて、書く意味があることとないことをふるいわけるなんて、所定の枚数にきれいにおさめるなんて。思いついたことは思いついた順に全部書けばいいんだけどな、と思う。

作文が終わらない - 傘をひらいて、空を (via kml) (via matsumi, matsumi) (via shortcutss, shortcutss) (via momomomorimori, momomomorimori) (via alice-lives-in-the-reblogia, alice-lives-in-the-reblogia) (via rokuroku, rokuroku) (via cocayucaco, cocayucaco)

何がいいって、描かれている女の子の話を書いているこの文章自体が優れていること。入れ子で重なった透かし彫りのようにいいものを眺めるお得感。

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Feb 21 2012

このほかにも、10年間引きこもっていた別の30代男性が、認知症のおばあちゃんを治してしまったケースもある。

 デイサービスの利用者の中に、ある婦人会の元会長で、認知症になってしまった人がいた。そのおばあちゃんは週に2、3回、施設に通って来ており、いつもその男性を見てたという。そして、草むしりも何もしない彼を3ヵ月ほど見てきたおばあちゃんは、ある日ご飯を食べているときに突然、男性の前で机をバンと叩いた。

「あんた、若いのに、しっかりしろ!」

 男性は、驚いてきょとんとした。すると、おばあちゃんが、彼の手を取って、散歩に連れて歩くようになった。

 以来、おばあちゃんは、何かと男性の手を取って「この若い青年を1人前にしないといけない」と、言い続けた。

「もともとこのおばあちゃんは、“会長”を務めた経験があるくらい、世話好きの親分肌。そういう役割を活用できる場所がなくなって、認知症になったようなんです。ここに来たら、自分を必要としている青年がいた。どんどん感情が引き出されたのか、お化粧、身なり、髪などもきれいになって、相乗効果で認知症も治ってしまったんです」(武田さん)

584 notes

Feb 10 2012
一番納得した文章。
「しかしこの歳になると、若いときはわからなかったことがよくわかる。すなわち結婚と就職は縁がすべてである。事故のようなものだ。論理的計画的にことを運べるものではない。チャンスが巡ってきたら、気合を入れて決断するしかない。いったん道を選んだら、振り返らずベストをつくること。間違った選択などない。選んだ道は正しい。そう信じてしばらくわき目もふらずにやっているうちに、力がついて、また次のチャンスがまわってくる。」

一人暮らし手帳

(via firedfly)

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わが英語今も旅の途中 - 阿川尚之

(via thinkeroid) (via mutsumi623)

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+
サラリーマンを楽しむコツはいつ首になってもいいと思うこと。恋愛を楽しむコツはなるにようにしかならないことを自覚すること。そして自分でコントロールできるほんのわずかなことを真摯にがんばるのが長い人生を楽しむコツだと思う。

1,271 notes

Jan 14 2012
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
『祝婚歌』 吉野 弘 (via marekoromo) (via forzando) (via hayami) (via nemoi) (via m0gyan) (via usaginobike) (via wayayaya) (via sakaue) (via f-o-pekoe)

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+

昔RPGが好きだった。RPGから学んだ人生哲学は多い。今思えば仕事でも役立つものが沢山ある。

    • 何度聞いても同じ話をする人にはかまうな。
    • 長老はたいてい大事な話する。長老から話を聞け。
    • 説明書に肝心なことは書かれていない。
    • セーブはこまめに。
    • ラスボスは必ず変身するから、気を抜くな。
    • 集中力は寝ないと回復しない。だから魔法を唱えられなくなる前に帰って寝ろ。
    • 回復に専念してるようでは、そのうちにMPが尽きてやられる。攻撃の手をとめちゃいけない。
    • パワーがあっても素早さが低いとターンが回ってこない。速いやつは使い勝手がいい。
    • レベルの高いパーティーに紛れ込めばあっというまにレベルが上がる。
    • ある程度したら、新しい土地へ行かないとレベルアップしなくなる。
    • 物凄い経験値を貰える敵は、逃げ足がとんでもなく速い。
    • 勇気と行動力があるヤツが一番偉い。

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Dec 10 2011
この警告文を読もうとするおまえに警告。
この文章を一語読むたびにお前は人生を一秒ずつ無駄にしている。
他にやることはないのか?
お前の人生はそんなにも空っぽなのか?
ろくな使い道も思いつけないほどに?
尊敬と信頼を命じる権力に従ってしまうほどに?
あんたは読まなきゃいけないものを全て読んじまうつもりなのか?
考えなきゃならないこと全てを考えるつもりなのか?
欲しがるべきだと教えられたもの全てを買っちまうつもりなのか?
外に出ろ、セックスの相手を見つけろ、過剰消費とマスターベーションをやめろ。
仕事をやめて喧嘩をおっぱじめろ、生きているということを証明してみせろ。
自らの人間性を証明できない存在は、統計上の数字にしか過ぎない。
俺はお前に警告したぞ。
――タイラー
— 映画『ファイト・クラブ』 (via reretlet)

(Source: hazy-moon, via roadknight)

1,074 notes

Nov 18 2011

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 04:13:48.03 ID:m2ls47Ri0
聞いた話な。でも俺は今んとここれで
「頭の回転が速いヤツ」という評価を受けている。

必ず物を見、考える時、逆を考える。考えてキチンと組み立てるクセをつける。
判りやすい例だと、「天皇制は必要か?」なんてテーマ。
自分の主義主張はそのまま持っていていい。それとは別。

「必要だ!」という立場に一旦立って、否定派への反論をキチンと組み立てる。
できれば文章にしてみよう。PCでいいから。

・・・で、一日とか間をおいて、今度は「不要だ!」という立場に立って、先日の
自分の書いた肯定派への反論を真剣に考え、また文章にしてみる。
こういうのを何度か交互にやってみる。
最初は自分の主義主張が邪魔して大抵片一方が
猛烈に有利になるけど、その有利不利を
真剣に平らにする方法を考えてみる。

これはオレが高校の時にある人に教わったもの。
オレはそれまでアッパッパーで有名だったが半年くらいで
人に物事の相談を受けるようになって、いつの間にかみんなに
回転が速いヤツと言われるようになってしまった。
ぶっちゃけ成績まで上がったw
(ただし暗記が少ない数学とかの分野)

向き不向きがあると思うが、気が向いたら試してみてはいかが?


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 04:17:33.61 ID:mGVb3NWT0
»84
でも逆が考えられない物事って多くない?


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 04:34:32.60 ID:m2ls47Ri0
»85
ないよ!
どんなことでも別の見方がある。(物理の世界ですら)

もし逆が考えられない!っていうテーマがあったら、本当にそうなのかを
真剣にもう一度考えてみてはどうか。

回転が鈍いって人は多くの場合、「は? xxxは△△△に決まってんじゃん!」
っていう感じ。肯定なら肯定で、なぜなのかを一度でも考えた経験がある。
否定された場合、なぜ違うって言えるのかを組み立てた経験と訓練がある。
これだけでものすごく違ってくると思うんだ。

もしかしたら、本当のホントでは才能が全てなのかもしれない。オレだって自分が
頭がいいなんて思ったことないもん。でも、こういう訓練を普段からクセにしてると
きっと変化があると思うよ。少なくともオレはそれで自分自身&周りの評価が
ガラリと変わったから。



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/13(火) 06:49:52.23 ID:ilzGX1cy0
»84
»96
ここ重要だと思うよ

自分と他人は違うってことを認識するのが中々難しい
日本の文化に、配慮や以心伝心があるからなのか、
自分の中だけで相手の意思まで処理しようとしてしまう。いわゆるムラ社会
相手はきっと〜なはずだっていうのを積み重ねちゃいけない。
何かあったら意図を尋ねる、自分で考えるを繰り返すのが重要だと思う。

あとは具体的には、目的意識&達成感を思考内で意識するのがいいんじゃないかな。
本を読む時、誰かと会話する時、何を聞きたいか取り入れたいかを明確化する、
そして達成感として書き留めたり、結論を自分で纏める。

あとは自己否定しちゃいけない。最初からダメだとか思わない。
速読だと早く読んでる自分を想像するってのもある。これは何でも使えると思う。
出来てる自分を想像

1,170 notes

Nov 15 2011
男が自分の技量に自信をもったときの美しさというものは格別なものだが、
自らの位階に自信をもった場合は、鼻持ちならなくなる

「司馬遼太郎全集」より

870 notes

Sep 23 2011
言われて嬉しいことを言う奴は欲しい。つまりこれが、営業の極意であり、あるいは就職活動の極意だ。

152 notes

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